バレエ曲の色気醸した劇的な交響曲演奏。
篤実温厚な性格だったブラームスは、自己批判の強い人でもあった。10歳の頃から作曲の才能を見せていますが、18歳の時にそれまでの作品を総て廃棄している。故に19歳より以前の作品は何一つ残っていない。そして早熟な才能をピアノにも見せ、ピアニストとしても確かな腕前を持っていたのにピアノ協奏曲第1番、ピアノ協奏曲第2番の初演で人前で演奏した限りである。それは演奏家としてでは無くてあくまでも模範演奏としてのステージでは無かったかと思います。音楽に信仰並みの畏怖を持っていたかのようで後進に対しては音楽的に間違った音は一音たりとも弾かせず、曲の出来が悪いと「君に必要なのは才能だ」などと容赦なく罵倒した。しかし、「これくらいのことで挫けていては、君の全てが台無しになってしまう」と励ますことも忘れなかった。