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半世紀もの長く君臨する快刀乱麻を断つ★マリア・カラス◉プレートル指揮パリ音楽院管 プッチーニ:歌劇《トスカ》全曲 – HMV SAN 149-150

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快刀乱麻の言葉が正に相応しい。アピールすべきをズバリ、堂々と誇らしげに表現している。
気がつけば半世紀ずっと君臨しているのは、流行や風潮に流されやすい世の中でガッツリ伝えたいことだけを強調した演奏だからでしょう。プレートル(90歳)自らも「私は単なる指揮者ではなく解釈者である」と述べていることから伝統的な演奏形式を踏襲しない解釈に関しては評価の分かれるところである。
しかし、2014年時点でスクロヴァチェフスキ(91歳)やマリナー(90歳)と共に1920年代に生まれた最高齢現役指揮者の一人であり、その高い独創性と華やかな創造力による比肩のない演奏は一聴に値する。かねてから手がけていたリヒャルト・シュトラウスのオペラに加え、様々なドイツ音楽との関わりを深め、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナーの交響曲を中心に構成されたツィクルスでも伝統的な演奏形式を踏襲しない型破りの解釈だったことでも言える。

プレートルの知名度を挙げるひとつの契機となったマリア・カラスとの共演は、1961年に行われた『パリのマリア・カラス』の録音で、カラス本人がプレートルをお気に入りの指揮者として指名したことに始まる。カラスは歌手としてすでに下り坂にあり、実際にはコンサートツアーにおける13回の共演と18回のオペラでの共演記録しか残っていない。録音としても正式なスタジオ録音としては、ビゼーの『カルメン』全曲と、カラスにとって2回目のスタジオ録音であるプッチーニの『トスカ』全曲、フランス・オペラ・アリア集『パリのマリア・カラス』の3録音しか残されていない。

往々快刀乱麻を断つ(がい)がある。

マリア・カラスの表現は、ビブラートもちょっと耳につく感じもあり、とにかくアクは強いです。技術的には完ぺきではないんですけど、音楽が生きていると言うんですかね。なんと言ってもプレートル指揮パリ国立歌劇場管弦楽団の音色にラテン的な明晰さがあふれているのがいいですね。しかも軽妙なリズムで覇気があります。非常に快活で生き生きしてるのです。旋律ものびのびと歌ってます。ホルンの軽い音色にかかるヴィブラート、これがまたフランス的で粋ですね。なかなかこの生命力はいいですね。

生命感と強い説得力がある録音が気がつけば半世紀経過しようとしている。録音1964年12月。

英HMV SAN 149-50

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作曲/曲目
プッチーニ: 歌劇《トスカ》全曲

Catalog: 英HMV:SAN 149-50

演奏者
パリ音楽院 管弦楽団
パリ国立歌劇場 合唱団
マリア・カラス ソプラノ
カルロ・ベルゴンツィ テノール
ティト・ゴッビ バリトン
ジョルジュ・プレートル 指揮

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